現在、日本には大規模災害のリスクがあります。

東日本大震災では、被災地域が広範囲にわたったうえ、各種の交通インフラが壊滅的な被害を受けたことにより、被災地に救援物資が届くまでに多大な時間を要しました。その間、被災者が集まる避難所の多くで、停電や、灯油・ガス等の燃料不足により、暖房・調理用の熱源確保が困難な状況が続きました。

ロケットストーブが命綱に

こうした中で被災地で注目を集めたのが、簡易型熱源として利用できるロケットストーブです。ロケットストーブは廃材や枯れ木等を燃料にしても、高い熱効率が得られるため、大規模災害時でも活躍し、防災用品としても高い存在価値があります。

誰でも簡単に火が起こせてお湯など作るのも手軽なため、実際に、東日本大震災や熊本地震、近年の度重なる水害の現場でもロケットストーブは大活躍しました。

日本の大災害のリスクにおけるBCP策定

また近年、災害対策は地域や個人だけでなく、企業でも強く意識されています。現在、中小企業庁は企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画BCP(事業継続計画)の策定を強く推し進めている。

BCP策定を急ぐ背景には日本の大規模災害のリスクがある。日本周辺の太平洋側沖合いには、千島海溝、日本海溝、南海トラフといった、海溝型地震を起こす陸と海のプレートの境界があり、海溝型地震の発生間隔が数十年から百年程度と短いため、下図のように太平洋岸の地域の確率が高くなる。特に、西日本の太平洋側沖合いの南海トラフでは、これまで100年前後の間隔で巨大な地震が発生しており、前回の地震から70年以上が経過しているため、西日本の太平洋岸で確率が非常に高くなっている。